Unityを使用して開発したゲームやアプリケーションを、iOS、Android、PC向けにビルドし、実行する方法を解説します。各プラットフォームごとに適切なビルド設定を行い、Player Settingsを調整することで、最適な状態でアプリケーションを動作させることができます。本記事では、それぞれのプラットフォームに対応したビルド設定の手順と、ビルド後の実行方法について詳しく説明していきます。これを参考に、あなたの作品を様々なデバイスで楽しんでもらいましょう。
はじめに
Unityは、ゲーム開発をはじめとするアプリケーション開発において非常に人気のあるクロスプラットフォーム開発エンジンです。その最大の魅力の一つは、一度開発したアプリケーションを様々なプラットフォーム(iOS、Android、PCなど)に簡単に対応させることができる点です。これにより、開発者はプラットフォームごとに異なるコードを書く手間を省くことができ、効率的に開発を進めることが可能となります。
本記事では、Unityを用いたマルチプラットフォーム開発において、iOS、Android、PC向けのビルド設定方法について解説していきます。それぞれのプラットフォームに対応するために必要な手順や設定項目を順を追って説明し、実際にビルドして実行する方法までを解説します。これにより、読者の皆さんがUnityでのマルチプラットフォーム開発をスムーズに進めることができるようになることを目指します。
それでは、まずはiOS向けのビルド設定方法について見ていきましょう。
Android向けのビルド設定
Unityを使用して開発したゲームやアプリをAndroidデバイス向けにビルドする際には、いくつかの設定が必要です。この章では、Android向けのビルド設定について詳しく説明します。
プラットフォームの選択
まずはじめに、Unityエディタ上でAndroidプラットフォームを選択する必要があります。以下の手順でプラットフォームを選択します。
Unityエディタ上で「File」メニューから「Build Settings」を開きます。
「Platform」の一覧から「Android」を選択し、「Switch Platform」ボタンをクリックします。
これで、プロジェクトがAndroidプラットフォーム向けに設定されます。
Player Settingsの設定
次に、Android向けのPlayer Settingsを設定します。以下の手順で設定を行います。
「Build Settings」ウィンドウで「Player Settings」ボタンをクリックします。
「Inspector」ウィンドウに表示される「Player」タブで、以下の設定を行います。
– Company Name: 会社名や開発者名を入力します。
– Product Name: アプリの名前を入力します。
– Package Name: アプリのパッケージ名を入力します。通常は「com.CompanyName.ProductName」の形式で入力します。
– Minimum API Level: 対応する最低のAndroidバージョンを選択します。対応範囲を広げることで多くのユーザーにアプリを提供できますが、古いバージョンのデバイスではパフォーマンスが低下する可能性があります。
その他、必要に応じて以下の設定を変更します。
– Icon: アプリのアイコンを設定します。
– Resolution and Presentation: 画面の解像度や向きを設定します。
– Splash Image: スプラッシュ画像を設定します。
ビルドと実行
設定が完了したら、実際にAndroidデバイス向けにビルドして実行してみましょう。以下の手順でビルドと実行を行います。
「Build Settings」ウィンドウで「Build And Run」ボタンをクリックします。
ビルドする際のファイル名と保存先を指定し、「Save」ボタンをクリックします。
これで、ビルドが開始され、ビルドが完了したら自動的に接続されたAndroidデバイスでアプリが実行されます。ビルドには少し時間がかかることがありますので、お待ちください。
以上が、UnityでのAndroid向けのビルド設定になります。これらの設定を行うことで、開発したゲームやアプリをAndroidデバイスで実行できるようになります。
PC向けのビルド設定
Unityを使用して開発したゲームやアプリケーションをPC向けにビルドする際の設定方法を解説します。ここでは、WindowsおよびMac向けのビルド設定を説明します。
プラットフォームの選択
Unityエディタのメニューバーから「File」>「Build Settings」を選択して、ビルド設定ウィンドウを開きます。
「Platform」の一覧から、ビルド対象のプラットフォームを選択します。Windows向けにビルドする場合は「PC, Mac & Linux Standalone」を選択し、「Target Platform」で「Windows」を選択します。Mac向けにビルドする場合も「PC, Mac & Linux Standalone」を選択し、「Target Platform」で「Mac」を選択します。
選択したプラットフォームが現在のプラットフォームではない場合、「Switch Platform」ボタンをクリックしてプラットフォームを切り替えます。
Player Settingsの設定
ビルド設定ウィンドウの「Player Settings」ボタンをクリックして、Inspectorウィンドウに「Player」設定を表示します。
「Resolution and Presentation」セクションで、ウィンドウモードや解像度、フルスクリーン設定などの表示設定を行います。例えば、ウィンドウモードで起動させたい場合は、「Default Is Full Screen」のチェックを外します。
「Icon」セクションで、アプリケーションのアイコンを設定します。アイコン画像をプロジェクトにインポートし、その画像を「Icon」欄にドラッグ&ドロップします。
「Splash Image」セクションで、起動時に表示されるスプラッシュ画像を設定します。スプラッシュ画像をプロジェクトにインポートし、その画像を「Splash Image」欄にドラッグ&ドロップします。
その他、必要に応じて設定を変更します。例えば、「Other Settings」セクションで、API互換性レベルやマルチスレッドレンダリングの設定を行うことができます。
ビルドと実行
ビルド設定ウィンドウで「Build」ボタンをクリックし、ビルド先のフォルダを選択してビルドを開始します。ビルドが完了すると、指定したフォルダに実行ファイルが生成されます。
ビルドした実行ファイルをPCで実行します。これで、Unityで開発したゲームやアプリケーションがPC向けにビルドされ、実行できるようになります。
以上が、UnityでのPC向けのビルド設定の手順です。これらの設定を適切に行うことで、開発したゲームやアプリケーションをWindowsおよびMacの両プラットフォームで動作させることができます。
都内の中小企業でCTOを務めています。
Webサービス、アプリなどを開発して15年以上になります。
ここでは、現在運用しているサービスやアプリなどから得た知見をもとに、好き勝手に自分の見解を残していく予定です。
なお、ここでの発言はすべて個人の見解であり、所属組織とは関係ありません。
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